2011年5月22日
先日、志免の絵画サークルの人たちと鉄道公園にスケッチに行きました。
旧国鉄勝田線の志免駅から続く線路跡の並木道です。
初夏の日差しは汗ばむほどでしたが、そよ風吹く南京ハゼの並木道にはサツキの花が満開で、スケッチも快適でした。
この道は私が高校生の頃、毎日志免駅から吉塚駅までSLの列車で通った所です。
C11型機関車に引かれた客車にはもちろん自動扉はなく、吉塚駅では走り出した列車にプラットホームを走って飛び乗ったことがありました。
でも、これは毎日のように繰り返されることで、列車が動き出すと誰かが走って来る姿が見え、「がんばれよ!」と仲間が列車の窓から身を乗り出して笑いながら歓声を上げていました。
時には乗り損なう友人もいて、ホームで帽子をたたきつけて悔しがっていました。
何しろ次の列車まで二時間も待たなければいけないので、乗る方も必死だったのです。
今では考えられないほどのんびりした時代でした。
その後、SLはディーゼル気動車に替わり、80年代半ばに勝田線は廃止されました。
国鉄の赤字路線廃止が全国で行われましたが、同じ糟屋郡内でも香椎線、篠栗線が、JRになって見事に再生し、駅も増えたことを考えると、残念というより見通しを欠いた決定だったなと思います。
そんなことを考えつつスケッチしていたら、いつの間にか仲間の皆さんは日陰に合わせて移動され、日なたで描いているのは私だけでした。