2012年01月

2012年1月22日

  以前から海外旅行に行くと、たいてい訪れた町で飾りスプーンやピンバッジを買うことにしています。理由は軽くてかさばらないので荷物にならないし、値段が手ごろだからです。
  ピンバッジの方は帽子に付けたりしているうちになくしたりして適当に消耗(笑)していますが、飾りスプーンの方は私のコレクションになってきました。
  飾りスプーンはその町の紋章や名所、名産品を型取ったデザインが多く、大きく分けると二種類あります。
  安いものは金属板をプレスして作られていて飾りの絵なども簡単な印刷になっています。
  高いものはその2~3倍の値段で、鋳物製なのかずっしりと重く図柄も七宝で出来ていて深みがあります。更に細工されて動くようにできているものや銀製のものまであります。
  40個近く貯まった頃、それらを額縁屋さんで上の写真のように額装してみました。
  部屋に飾ると、引き出しいっぱいに入れていた時とは見違えるように美しくなり、家に来られたお客さんにも「面白いね」、「きれいね」と言われました。

  今もそれらのスプーンを見ながら、一つ一つの思い出を楽しんでいます。その中でも”お気に入り”は、小さいながらもジョッキの蓋が開け閉め出来るハイデルベルグのスプーン、重厚なレリーフがデザインされたローテンブルグの銀製スプーン、それに象嵌細工のトレドのスプーンです。
  ただ、銀製スプーンの方は本当にいぶし銀になってしまい、額装しているので簡単に取り出して磨けないのが悩みです。

  その後、月日は流れコレクションはさらに増えました。数えると次の額縁一つでは収まらないようで、ただいま思案中です。

 

2012年1月5日

  1985年の暮れから’86年にかけての冬、絵仲間の友人たちとヨーロッパに出かけました。スケッチも予定していたのですが、連日氷点下の寒さで屋外で絵具を使ってゆっくり描くというのは無理で、もっぱら鉛筆やペンでの素描スケッチ中心になりました。
  大晦日はスペインのマドリードでしたが、プエルタ・デル・ソル広場ではカウントダウン・ショーがあり花火が上がり大賑わいでした。
  旅も終わりに近づいた1月6日、私たちはパリにいました。仲間の皆さんはセーヌの河船を楽しむということでしたが、私は友人のサンドリーヌさんの家に泊まりで招待されました。
  私の歓迎パーティということでお友達のご夫妻と娘さんも加え、6人で迎えてくれました。
  食べきれないほどの夕食の後、デザートだと聞いて「果物かな」と期待していたら、チーズの盛り合わせが出てきて困りました。
  話に花が咲いた後、大きなパイのような丸いケーキが出てきました。
  ご主人のアランさんがこのケーキを8つに切り分け、どうぞと言われたので、私が自分の前のところを取ろうとしました。
  すると、ケーキを少し動かして、「ここがおいしい」とみんなが言うのです。
  そうかなと思いながらそのおいしいと言われる部分を自分の皿に取り、食べようとすると「カチン」と何かが出てきました。
  それは 陶器製の人形で私が驚いていると、みんなは拍手喝采で大喜び!
  私があっけにとられていると、「あなたは今から王様です」と言って金色の紙製の冠を頭に載せてくれました。
  「何でも望みのことを言ってください」と言って私の椅子に豪華な布をかぶせてその上に私を座らせたりして大賑わいでした。
  私がサンドリーヌさんに「これは楽しいけど何かのお祭り?」と尋ねたら、今日はクリスマスから12日目で、エピファニー( Epiphanie)の日だと教えてくれました。
  そして先ほどのケーキはガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)と言うのだそうです。
  家族はケーキの中の人形の場所を知っていて、遠く日本から訪ねてくれた友人(私)をもてなしてくれたのでした。

  パーティが終わり、みんなで夜のシャンゼリゼに行きました。
  白熱球の温かい光のイルミネーションがこの家族の気持ちを表しているようでした。