2012年11月

 

  11月も終わりに近づき、どこの小学校も図工(絵画)作品の仕上げの忙しそうです。
  それは県児童画展の締め切りが迫っているからでしょう。
  何人かの先生方から「あれが本当に役立っています」といわれると、「ああ、よかったな」と思います。あれというのは上にある図工授業での絵画指導実践のまとめなのです。
  前回のブログにも書きましたが、9年前から市内のいくつかの学校でゲストティチャートして絵画の指導をしています。はじめは工作なども指導していましたが、サンプル作品を作る手間や保管・運搬が大変なので、その後は絵画だけでお願いをしています。
  もちろん児童画展で入選させるための指導ではなく、「わかりやすく面白く教える」、「その子の良さを引き出す」、「子どもたちの気持ちを理解して安心させる」などを心がけての指導です。
  子どもたちとはほとんど初対面ですが、「大丈夫だよ、失敗してもなーんにも心配ないよ」というと半信半疑ですが、何回かの授業で次第に完成してくる自分の絵の満足感と共に、私に心を開いてくれるのです。

  そんな授業の繰り返しですが、3年間指導した市立高宮小学校で、昨年度末に実践のまとめを作ってくださいました。小嶋校長先生と先生方全員が原稿を書いてくださいました。
  実は9年前に小嶋先生が私に声をかけていただいたことで、福岡では前例のないこの仕事が始まったのです。
  この実践のまとめは研究紀要ではなく、日常の授業のありのままの記録です。
  それだけに実際に授業をされる方には明日の授業に使えるのではないかと思います。
  学年やクラスにより指導の仕方もいろいろですし、何より、子どものプレッシャーを軽くする言葉かけや、子どもの良さを引き出す方法など、多様な指導法が含まれています。
  子どもにとって、「ちゃんと描きましょう」、「しっかり描きましょう」などでは困るのです。
  サブタイトルにある「魔法のことば」は、本当は魔法ではなく、自然で具体的な言葉だと思います。