2014年1月15日
とうとう12月はブログ書きをパスしてしまいました。
年末に35年間住んだ戸建の家からマンションに転居したからです。
物持ちの良い(整理下手の)私は、貯まりに貯まった家具や荷物の大半を処分しました。
その荷物には父が亡くなった時のものもありましたが、その中にあった一つのお盆に目がとまりました。
使い込んだ古いお盆で、ところどころにひびも入っていました。でも手に取るとずっしり重く、紫檀か黒檀製のようでした。
汚れを取って磨くと艶が出て、ひび割れを修復した金具がまるで象嵌のように光って美しいのです。
学生の時に木工を少しばかりやったので、相欠き、蟻組み、ほぞ接合などなどに興味がありましたが、このように金属で作られた鼓型千切り留め接ぎは初めて見ました。
無垢材とはいえ、今だったらこのようにひび割れのお盆など捨ててしまうのかもしれませんが、手間をかけても修理して大切に使おうとする昔の職人魂に心を打たれます。
そして修理したその金具が、なんとも素敵なデザインになっているのは、何だかパッチワークと同じような発想なのかなと思いました。
もちろん、今後このお盆は大切に保存するつもりですが、しまいこむのではなくどんどん使い込んでいきたいと思っています。