若い頃から団体展に出品していたこともあり、水彩スケッチは大作のための資料とか習作といった考えで、スケッチ自体が作品だとは考えていませんでした。
したがって使う絵の具も学校の指導で使うサクラやペンテルが主でした。
学校をリタイアしてホルベインを使うようになりましたが、あるとき海外スケッチツアーに参加しました。一緒に参加された方は画材に詳しくこだわりを持った方も多く、薀蓄を語ってくれました。
あるとき「八久保さん、絵の具は何を使ってるの?」と聞かれました。私は「ホルベインですよ」と答えました。すると「ホルベインなんか使ってるの、あれはダメだよ、色が悪いよ」と言われびっくりしました。私が、「ホルベインって良い絵の具でしょう?それともニュートンとか・・・」と聞くと、
「ニュートンね、それも悪くはないけどやっぱりシュミンケだよ」、「またはセヌリエだね」、「いい絵を描こうと思ったら絵の具を選ばなくてはね」と、立て続けに初めて聞く絵の具の名前ばかりでカルチャーショックを受けました。
とはいえ、値段の違いも大きく現在もホルベイン、クサカベ、ターナーなどもっぱら国産の絵の具を中心に使っています。
5月下旬にオランダとベルギーに行きましたが、ベルギーのブルージュの画材店で偶然セヌリエの固形水彩を見つけました。
「これが話に聞いていたセヌリエなんだ!」と、初めて見る現物でした。
値段は12色のハーフパンで65ユーロでしたが、私にとっては幻のセヌリエですぐに購入しました。
そのセヌリエですが、画像にある通りまだ使っていません。
絵の具が変わっても使う人間は同じなので、飛躍的には変わらないだろうと思っています。
時間がある時に使ってみようと楽しみにしています。